DAY8:【SEO編】リサーチを元にH2・H3構成と本文を作ろう~AI実践道場~
SEO記事を作ろう!
プレスリリースも無事に配信できたあなた。
だんだんと仕事をこなせるようになってきたあなたを見て、部長はいよいよある仕事を課してきました…。
お前もだいぶ仕事になれてきたな!
そしたら我が社のオウンドメディアに掲載する記事を書いてみるか!
検索上位表示されるような記事を作ってみろ!
はい!任せてください!
検索上位に記事が表示されるように対策することをSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)と言います。ここではそんな検索対策された記事を便宜上SEO記事と呼びます。
「AIで文章を生成できる」となったときに、まっさきにその活用先として注目されたのがSEO記事の生成でした。
実際に、AIの登場でWebライティングの現場は業務フローが変わりつつあります。
今日はそんなSEO記事の作成について、ワンランク上の作成方法とリスクについて解説していきます。
検索結果から読者の検索意図を把握しよう
まずは「読者が何を目的に検索しているのか」を把握しよう!
SEO記事の作成では、読者の検索意図=検索の目的を把握することがとても重要です。
読者の意図に適うような記事を作成することで、よく読まれるようになり、結果的に検索表示順位も上位に上がりやすくなります。
まず第一歩目の作業として、検索キーワードに対する検索意図を把握するところからスタートします。
本来は検索キーワードを選定する作業からスタートしますが、それは複雑な要素が絡むため、今回は簡略化します。
無料のキーワードリサーチツール「ラッコキーワード」を使って設定商品に関するサジェスト(検索予測)を取得し、そこから読者の悩みが深そうなキーワードを選定してください。
例えば、設定商品がドッグフードの場合、「ドッグフード」をキーワードとして以下のようなキーワードを選定します。
「ドッグフード 食べない 対処法」という検索からは、自分の愛犬がドッグフードを食べなくて心配している読者の様子が目に浮かびますよね。
こうしたキーワードを選定し、その検索意図を探ります。
課題1:ラッコキーワードを用い、設定商品に関連する3語からなるサジェストキーワードを一つ選定してください。その後、以下のプロンプトにその情報を追記して実行してください。(Perplexity)
「以下のキーワードについて、ユーザーの検索意図を具体的に教えてください。
##キーワード」
ここでは実際の検索結果を元に検索意図を作成しています。
あれ、ChatGPTに「このキーワードの検索意図を教えて」じゃダメなの?
そう思った人もいるかもしれません。
たしかにAIに考えさせることも可能ですし、筋の良い回答をしてくれます。
それでもやはり、実際の検索結果を元にした方がより具体的な回答が得られます。
以下は「ドッグフード 食べない 対処法」について、ChatGPT-4oとPerplexityそれぞれで出力した結果の比較です。
ChatGPT-4oに考えさせた結果
ドッグフードを食べない理由を知りたい:
- 犬がドッグフードを食べない原因(健康問題、味の好み、ストレスなど)を知りたい。
対策や解決策を求めている:
- 犬がドッグフードを食べるようにするための具体的な方法やアドバイスを探している。
- 例えば、食事のタイミングや環境を変える方法、異なる種類のドッグフードを試す方法、手作りの食事を試す方法など。
獣医師や専門家の意見を求めている:
- 獣医師やペット栄養士のアドバイスや推薦される製品についての情報を求めている。
体験談や成功例を知りたい:
- 他の飼い主の経験談や成功例を知り、参考にしたい。
製品やサービスの評価やレビューを探している:
- ドッグフードや関連するサプリメント、あるいは専門家が提供するサービスの評価やレビューを確認したい。
Perplexityで検索結果を元に考えさせた結果
- 問題解決を求めている:愛犬がドッグフードを食べない状況に直面し、その対処法を探している。
- 原因を理解したい:なぜ犬がドッグフードを食べないのか、その理由や背景を知りたがっている。
- 具体的な対策を求めている:食べない犬に対して、実践可能な具体的な対処法やテクニックを探している。
- 緊急性がある:愛犬の健康や栄養摂取に関する懸念から、比較的早急な解決策を求めている。
- 専門家の意見を求めている:獣医師や動物栄養学の専門家による信頼性の高い情報や助言を期待している。
- 様々な方法を知りたい:複数の対処法や選択肢を比較検討したいと考えている。
- 安全性を確認したい:提案される対処法が犬の健康に悪影響を与えないか確認したがっている。
- 長期的な解決策を探している:一時的な対処だけでなく、継続的にドッグフードを食べてくれるようになる方法を知りたがっている。
- 他の飼い主の経験を知りたい:同様の問題を経験した他の飼い主の体験談や成功事例に興味がある。
- 商品情報を求めている:食欲を増進させるサプリメントや、より食べやすいドッグフードの情報を探している可能性もある。
見ての通り、実際の検索結果を元にしているPerplexityの方が踏み込んだ分析を行っています。(黄色マーカー部分)
正直なところ、この差異が検索順位に影響するほどのものか、誤差の範囲内かは不明です。
しかし「生のデータをインプットして示唆を出す」という考えの一環として、この手法も覚えておきましょう。
H2・H3見出しを作成しよう
今度は記事の骨格となるH2・H3見出しを作っていくよ!
記事が検索意図を満たすものになるかは、記事構成で決まります。
記事構成はまさに記事の骨格であり、ここがしっかりしていないといくら肉付けしても仕方がありません。
ここでは実際のデータを元にしてH2・H3見出しを作成していきます。
ここではラッコキーワードを使い、検索上位記事のH2・H3見出しを取得します。
今度は「見出し抽出」機能を使います。
「見出し抽出」を選択し、検索キーワードを入力します。
すると、以下のような画面が表示されるため、ここからCSVをダウンロードします。
これにより、キーワードに対して上位表示されている記事のH2・H3見出しのCSVを取得できました。
これを用いてH2・H3見出し構成を作成していきます。
無課金の場合、CSVファイルが容量制限によって読み込めない場合があります。
その場合、CSVのH2・H3をコピペする形で代用してください。
課題2:ラッコキーワードの「見出し抽出」機能を用い、課題1で選定したキーワードのCSVを取得してください。その後、そのCSVファイルをチャットにアップロードし、以下のプロンプトを1→2の順で実行してください。(Claude)
プロンプト1「これは以下のキーワードで検索したときの、上位表示記事のH2・H3見出しについて整理したcsvです。 このデータから、検索上位に表示される記事にはどのような構成上の傾向があるかを分析してください。
##キーワード
(キーワードを貼り付け)」
プロンプト2「その傾向を元に、先程提示したキーワードで上位表示される可能性が高い一般的な記事構成を作成してください。」
課題3:課題2を行ったチャットにて、課題1の検索結果を用いて以下のプロンプトを実行してください。(Claude)
「このキーワードを検索するユーザーが以下のような検索意図を持っているとした場合の記事構成を作成してください。
##検索意図
(課題1で取得した検索意図を貼り付け)」
ここではCSVファイルを元に、その内容から傾向を一般化し、再構成するということを行っています。
DAY7で学んだ考え方ですね。
DAY7でも詳しく注意書きしたように、単なる模倣にならないようここでも細心の注意を払います。
元データを参考にそのまま構成を作らせているのではなく、「構成上の傾向」を出させた上で、「一般的な記事構成」を作成させるプロンプトにしているのはそのためです。
課題3の検索意図を混ぜ込むところまでやれば独自性の高い構成になるかと思いますが、「独自性の高い表現の見出しをそのまま採用していないか」は自分の目でもチェックするようにしましょう。
なお、「ドッグフード 食べない 対処法」で課題2・3を行った結果は以下になります。
課題2の結果(一般的な記事構成)
【獣医師監修】愛犬がドッグフードを食べない!原因と7つの効果的な対処法
1. はじめに
- 愛犬が食べない問題の一般性
- 記事の目的と概要
2. 犬がドッグフードを食べない主な理由
2.1 体調不良や病気
- 考えられる症状と病気
- 注意すべきサイン
2.2 ストレスや環境の変化
- ストレス要因の例
- 環境変化による影響
2.3 わがままや偏食
- 甘やかしの影響
- 偏食のリスク
2.4 加齢による影響
- シニア犬の食欲低下
- 老化に伴う変化
2.5 フードの問題
- 品質や鮮度
- 犬の好みとの不一致
3. 年齢別:犬がドッグフードを食べない原因と特徴
3.1 子犬(0〜1歳)
3.2 成犬(1〜6歳)
3.3 シニア犬(7歳以上)
4. 7つの効果的な対処法
4.1 フードの種類や味を変える
- おすすめのドッグフード紹介
4.2 給餌方法の工夫
- 時間や場所の調整
- 食器の選び方
4.3 フードのアレンジ
- トッピングのアイデア
- 手作りフードの導入
4.4 運動量の調整
- 適切な運動量
- 散歩のタイミング
4.5 ストレス要因の除去
- 環境改善のヒント
4.6 しつけと給餌の一貫性
- 正しい給餌のルール
4.7 獣医師への相談
- 受診のタイミング
- 準備すべき情報
5. 注意すべきこと
- 絶食の危険性
- 人間の食べ物を与える際のリスク
- 急激な食事変更の問題点
6. よくある質問(Q&A)
- Q1: どのくらいの期間食べなくても大丈夫?
- Q2: おやつは食べるのに、なぜドッグフードは食べない?
- Q3: 手作りフードは安全?
- Q4: 食欲不振と水分摂取の関係は?
- Q5: ドッグフードの切り替え方は?
7. まとめ
- key pointsの再確認
- 継続的な観察の重要性
8. 【獣医師からのアドバイス】
- 監修獣医師からのコメント
- 食欲不振の際の一般的な注意点
9. 関連記事
- 「犬の食事と栄養バランス」
- 「ドッグフードの選び方完全ガイド」
- 「愛犬の健康管理:日々のケアと定期検診の重要性」
課題3の結果(検索意図を注入)
【獣医師監修】愛犬がドッグフードを食べない!15の即効性のある対処法と長期的解決策
- はじめに(緊急対応)
- 本記事で得られる情報の概要
- 緊急時の対応と長期的解決の両方を提供する旨を明記
- 緊急対応:すぐに試せる7つの対処法
2.1 水分補給の確認と強化
2.2 フードの温め方とアロマ効果
2.3 手食べの誘導テクニック
2.4 食事環境の即時改善法
2.5 緊急時の食欲増進サプリメント
2.6 代替食の安全な選び方と与え方
2.7 動物病院への相談:いつ、何を伝えるべきか - 犬がドッグフードを食べない5つの主な理由
3.1 体調不良や潜在的な病気
- 考えられる症状と病気のリスト
- 要注意サインのチェックリスト
3.2 ストレスや環境変化
- 一般的なストレス要因
- 最近の環境変化チェック項目
3.3 フードに関する問題
- 品質劣化のサイン
- 犬の嗜好性変化の可能性
3.4 行動や習慣の問題
- 過度の甘やかしの影響
- 不適切な給餌習慣のリスト
3.5 加齢による影響
- 年齢別の食欲変化の特徴
- シニア犬特有の問題
- 獣医師推奨:8つの長期的解決策
4.1 段階的なフード切り替え法
4.2 食事時間と量の最適化
4.3 運動とフードのバランシング
4.4 ポジティブ強化を用いた食事トレーニング
4.5 手作りフードの安全な取り入れ方
4.6 フードパズルなどの知育玩具の活用
4.7 定期的な健康チェックの重要性
4.8 ストレス軽減のための環境整備 - 他の飼い主の成功体験:3つのケーススタディ
5.1 偏食気味の若い犬の場合
5.2 突然食べなくなった成犬の場合
5.3 食欲が減退したシニア犬の場合 - 専門家Q&A:よくある10の質問と回答
- Q1: 絶食はどのくらいまで許容できる?
- Q2: 人間の食べ物を与えても良い?
- Q3: 強制給餌は必要?その方法は?
- Q4: サプリメントは効果的?おすすめは?
- Q5: ウェットフードとドライフードの切り替えのコツは?
- Q6: 食欲不振と脱水の関係は?
- Q7: ホームメイドフードの栄養バランスは?
- Q8: 食べない期間中の運動量は?
- Q9: 食欲増進に効果的なおやつの選び方は?
- Q10: 食べない原因が分からない場合の対処法は?
- おすすめの食欲増進ドッグフード・サプリメント5選
- 各商品の特徴、効果、使用方法を簡潔に紹介
- まとめ:長期的な食欲維持のための5つのポイント
- 【監修獣医師からのメッセージ】
- 食欲不振の際の一般的な注意点
- 専門家への相談を躊躇しないことの重要性
- 関連記事
- 「犬の食欲不振と関連疾患」
- 「ドッグフードの正しい選び方と与え方」
- 「愛犬の食生活改善:成功事例と実践テクニック」
左は一般的な記事構成、右はより問題解決への志向が強い記事構成となっているのがわかりますね。
もちろんSEOは不確実性が高いため、左の方が上位表示される可能性もあります。
しかし、Googleは記事の独自性を評価しています。
今回の手法は独自性を出す方法の一つとして覚えておくと便利です。
ちなみに、今回はプロンプトの実行にClaudeを指定しています。
ChatGPTやGeminiだと今回使用するCSVを上手く読み込めない可能性があるからです。(GPT-4o、Gemini1.5 PROの場合)
ファイル形式を変換すれば読み込めないこともありませんが、Claudeを使ってもらえればOKです。
H2・H3を元に本文を作成しよう
出力したH2・H3を元に本文を作成するよ!
今度は骨組みに肉付けを行い、本文を完成させます。
課題4:課題3と同じチャットで、以下のプロンプトを実行してください。もし途中で出力が止まった場合「続けて」と入力してください。(Claude)
「あなたはSEOに詳しいプロのWebライターです。この構成を使用して、検索上位に表示されるようなブログ記事を作成してください。 各見出しの内容は最低でも三行以上説明するようにしてください。」
これだけで「それっぽい」ブログ記事を作成できてしまいます。
これは「ドッグフード 食べない 対処法」で作成した記事サンプルですが、一万文字以上のブログ記事が一発で出力できています。(「続けて」は二回行いましたが)
もちろん、AIに出力させた記事についてはチェックが絶対に必須です。
AIがハルシネーション(誤った情報を出力すること)を起こしていたり、誤った情報をそのまま参考にしてしまったりする可能性があるからです。
上記で紹介したサンプル記事なんかはまさにそうです。
この手法が正しいか素人には判断できない内容ですし、勝手に「獣医師監修」として好き勝手なQ&Aを書いてるし、ありもしないストーリーを書いています。
端的に言うなら、このままでは「事実か不明な上にデタラメも混じった記事」のため表に出せるような代物ではありません。
それでもこの課題を実践してもらったのには三つの理由があります。
一つ目は、現状のAIのレベルを知ってもらうためです。
これはどちらかと言うと、主にWebライター向けの話です。
「このレベルの記事はAIで既に作れるんだ」と知っておくと、自分の立ち位置が見えてきます。
厳しい言い方をするなら、「自分で裏付けを取れず、ネット上の上辺の情報をまとめるだけ」しかできない場合、それはAIと真っ向勝負になるということです。
そしてその土俵ではAIに絶対勝てません。
この事実は変わらないし、むしろ差は開いていきます。
なので「現状のAIができることを客観的に把握した上で、自分のキャリアの方向性を考える」ことがとても大切です。
これについては以下動画でも詳しく解説しているため、Webライターの人はこちらもご覧ください。
二つ目は、AIで自動生成する記事にはリスクがあることを実感してもらうためです。
今回はそのリスクを可視化するために、あえて「ドッグフード 食べない 対処法」という、専門家の監修が必要になる可能性の高いテーマでサンプルをお見せしました。
見てもらった通り、AIの一発出しにはまだハルシネーションリスクがあります。
もちろん簡単な内容ならそのリスクは下がります。
しかし、それでもAIは結果の正しさを保証してくれません。
匿名サイトで記事を量産して広告収入を得るという手法も流行ってはいますが、それはあくまでも記事の内容に責任を持たないスタイルです。企業のオウンドメディアや自分の記名記事ではそんな無責任な仕事は許されません。
AIで生成した記事にはファクトチェックや監修者からのチェックが必須であると心得ましょう。
三つ目は、それでもたたき台にはなるからです。
ハルシネーションリスクの話をしましたが、リスクはリスクです。
リスクがある=0点ということではありません。
ふぐも毒を除けば食べられるように、リスクも適切に対処すれば果実を得られます。
今回出力した記事も、ちゃんと専門家に内容をチェックしてもらえれば使えるレベルにまで仕上げることは可能です。
そして専門家に「記事を書いてください!」と執筆をお願いするよりも、「記事の叩きを作ったので、これを元に質問させてください!」と叩き台をもとに議論するほうがはるかに制作コストは低くなります。
0→1の部分を作れるということは、それだけでも十分に価値があるのです。
一つ目で書いた「ネット上の情報をまとめるだけ」の人の価値が低下していくという話と表裏一体の話ですが、「叩きを作って専門家に取材する」という仕事のニーズは今後急増していくと思います。
「叩き台はAIで一瞬で作れる」ということを前提に、制作フローを最適化しましょう。
…以上が注意点なんだけど、話が長くなっちゃったね。
ってあれ、いない!?
……(部長のデスクにて)
部長!
ブログ記事できました!
何!?ノーチェック!?
こんなの我が社の名前で載せられるか!!
0点だ!作り直せ!
は、はい~~!!!
まとめ
今回はSEO記事の構成作成~本文作成までを行いました。
構成を作成する部分まではともかく、本文の執筆には記事内で解説したように注意が必要です。
しかし、リスクをちゃんと見極めた上で活用したら、この上ない武器になります。
「出力したもののどこにリスクがありそうか?」
という視点を常に持つようにしましょう。
初級編も残り2日。クライマックスです。
ラストスパートです。最後まで頑張りましょう!
今回の課題にチャレンジする方は、ぜひXで #AI実践道場 のハッシュタグで投稿してください!
イベント感覚で取り組むことで、モチベーションが上がり仲間もできます。
AI実践道場の最新情報は初芝賢(@hatushiba_ken)にて発信しています。
みなさんの投稿、楽しみにお待ちしてます!